【個人住民税】公的年金からの特別徴収について

平成21年10月から、公的年金(老齢基礎年金等)受給者の納税の便宜や、市町村における徴収事務の効率化を図るため、個人住民税(町県民税)を公的年金から天引きさせていただく『特別徴収制度』が開始されています。

この制度の導入により、年金の支払いをする社会保険庁などの年金保険者が、直接『町』に個人住民税を納めるようになりますので、対象となる方は、基本的に金融機関等へ行く必要がなくなりました。

公的年金からの特別徴収制度

対象となる方

この制度の対象となるのは、『4月1日現在65歳以上の公的年金の受給者で、前年中の年金所得に係る個人住民税の納税義務のある方』です。
ただし、次のいずれかに当てはまる方は、特別徴収の対象とはなりません。

  • 老齢基礎年金等の年額が18万円未満である方
  • 当該年度の特別徴収税額が老齢基礎年金等の年額を超える方
  • 介護保険料が特別徴収されていない方
  • 所得税、介護保険料、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料を差し引いた残りの年金支給額が特別徴収される税額より小さい方

特別徴収の対象となる年金

老齢基礎年金または老齢年金(昭和60年以前の制度による年金)、退職年金等から特別徴収されます。
対象となる年金が複数ある場合は、介護保険料が特別徴収(天引き)されている年金と同じ年金から、個人住民税も特別徴収されます。
ただし、介護保険料が、障害年金および遺族年金などの非課税の年金から特別徴収されている場合、個人住民税は特別徴収されません。

特別徴収される住民税額

特別徴収されるのは、年金所得の金額から計算した住民税額のみとなります。
給与所得や事業所得などの公的年金以外に係る所得から計算した住民税額は、これまで通り給与からの特別徴収(天引き)、または普通徴収(金融機関等で納付書または口座振替により納める方法)で納めていただくこととなります。

特別徴収制度の開始時期と徴収方法

新たに対象となる方の特別徴収(初年度)の開始は、公的年金の10月支給分からとなります。
そのため、住民税の6月・8月分(年税額の半分)については、これまで通り普通徴収(金融機関等で納付書または口座振替により納める方法)により納めていただくことになります。
そして、10月分以降については、10月・12月・2月に支給される公的年金からの特別徴収(天引き)により納めていただきます。
特別徴収2年目以降については、4月・6月・8月・10月・12月・2月の6回に分けて公的年金から特別徴収します。

公的年金から特別徴収が開始される最初の年度の徴収方法

例:年税額が40,000円の場合

徴収方法普通徴収
(納付書または口座振替)
公的年金からの特別徴収
(天引き)
納期 6月 8月 10月 12月 2月
徴収税額 10,000円 10,000円 6,800円 6,600円 6,600円
各々年税額の約4分の1 各々年税額の約6分の1

特別徴収2年目以降の徴収方法

例:年税額が50,000円(前年度40,000円)の場合

徴収方法公的年金からの特別徴収 (天引き)
仮徴収(※1本徴収(※2
納期 4月 6月 8月 10月 12月 2月
徴収税額 6,600円 6,600円 6,600円 10,200円 10,000円 10,000円
各々2月の特別徴収と同額  各々本年度年税額から仮徴収税額を差し引いた額の約3分の1

※1 仮徴収とは
個人住民税額は、前年の所得により算出し、毎年6月頃に確定されることから、新年度当初では年税額が確定していません。
このため、前年度2月と同額を、4月・6月・8月の年金から特別徴収(天引き)することをいいます。

※2 本徴収とは
確定した個人住民税額から4月・6月・8月の仮徴収分を差し引いた残額を、10月・12月・2月の年金から特別徴収(天引き)することをいいます。
なお、確定した個人住民税額よりも仮徴収税額が過大となった場合には、過納額を還付いたします。

特別徴収が中止となる場合

特別徴収の開始後、町外への転出や税額の変更、年金の支給停止などが発生した場合には、特別徴収(天引き)が中止となり、普通徴収(金融機関等で納付書または口座振替により納める方法)により納めていただくこととなります。

年金特別徴収についてのQ&A

Q1.公的年金からの特別徴収の対象者となった場合でも、本人の意思により、これまでどおり納付書や口座振替で納めることはできますか?

A1.本人の意思により納付方法を選択することはできません。
地方税法(第321条7の2)により、『公的年金等所得に係る個人住民税については年金から特別徴収(天引き)の方法により徴収する』とされています。

Q2.この制度により、新たに税負担が増えるということはありませんか?

A2.公的年金からの特別徴収(天引き)は、個人住民税の納める方法を変更するものであり、税額の計算方法等に変更はありませんので、これにより新たな税負担は生じません。

Q3.これまで年金所得に係る個人住民税は、給与所得に係る個人住民税と合算して給与から特別徴収(天引き)されていました。
今後も同様に給与分に合算して特別徴収することはできますが?

A3.年金所得に係る個人住民税を給与から特別徴収することができなくなり、給与所得に係る分は給与から、年金所得に係る分は公的年金からそれぞれ特別徴収されることとなります。

Q4.現在、63歳で年金収入があり、会社に勤務しています。
個人住民税は、年金所得と給与所得の合算額を会社から特別徴収(天引き)しています。
65歳未満ですが、引き続き給与からの特別徴収はできますか?

A4.制度改正により公的年金に係る個人住民税は給与からの特別徴収ができなくなりました。
そのため、65歳未満の方で年金所得に係る個人住民税がある場合は、年金所得に係る分は、普通徴収(納付書または口座振替)、給与所得に係る分は、特別徴収(天引き)により納めていただくこととなります。
なお、事業所得、不動産所得、農業所得など、年金所得以外の所得に対する個人住民税額は、これまでどおり給与所得に係る個人住民税と合算して給与から特別徴収することができます。

Q5.年金所得以外に不動産所得があります。
この場合、不動産所得に係る個人住民税についても年金から特別徴収(天引き)されますか?

A5.年金所得以外の所得に係る個人住民税については、公的年金からの特別徴収は行われず普通徴収(納付書又は口座振替)となります。

Q6.介護保険料が年度途中で普通徴収に切り替わりました。
個人住民税はこのまま特別徴収されるのですか?

A6.介護保険料が特別徴収の対象でなくなった場合は、個人住民税についても普通徴収(納付書または口座振替)に切り替わります。

Q7.介護保険料と個人住民税で、特別徴収される年金が異なる場合がありますか?

A7.介護保険料と個人住民税は、同じ年金から特別徴収を行うこととなります。
ただし、個人住民税の対象とならない障害年金や遺族年金から介護保険料が特別徴収されている方は、個人住民税については普通徴収(納付書または口座振替)となります。

Q8.年度の途中で修正申告を行い、個人住民税額に変更があった場合はどうなりますか?

A8.年度の途中で個人住民税額に変更があった場合、公的年金からの特別徴収は中止となり徴収済額を差し引いた残額のすべてが普通徴収(納付書または口座振替)に切り替わります。
その際、変更された税額が既に公的年金から特別徴収した税額より少ない場合は、還付されます。

Q9.Q8のように、年度の途中で税額が変更になり公的年金からの特別徴収が中止となった場合、特別徴収の再開はいつからになりますか?

A9.翌年の10月の年金支給分から特別徴収が再開されます。

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税務課
電話:0738-23-4903